2007年 04月 18日
『ラストキング・オブ・スコットランド』を見て、人間の吊るし方について考える
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まー、まずこれをデートで見た人はいないだろう。
え? デートで見た?(誰に聞いてるんだよ/笑)
それは相手がやたら政治ネタが好きなタイプか、特殊な性癖の人だったんだと思うよ。

公開が終わっちゃってるので、ネタバレ配慮なしでゴー。


スコットランドからウガンダの診療所にやってきたアッパラパーのニコラスは、
理想に燃えた若い医師というよりアジアの辺境にごろごろいるバックパッカーのよう。
有色人種を甘く見ている白人の彼は、簡単にウガンダ大統領イディ・アミンの術中にハマっていく。
逃げられなくなるまで、自分が拉致監禁状態にあることに気がつかない。
欧州より劣っている(と自分が考える)地域から自分が逃げだせなくなるなんて
予想だにしなかったんだろうけど・・・その辺は自業自得。
ニコラスはただのおバカさんで、感想は一言「バーカ」でおしまいだ。

しかし、一国の権力者が若い白人の青年を囲うという図式で見ると、妙にエロい。
美女を連れ歩く成り金のように、ニコラスを自分のもののように扱うアミン。
ニコラスがアミンから離れようした途端に二人の関係は緊迫する。
アミンの尋常でない圧迫感。
オスカー授賞も納得の名演だが、別れ話をしたら途端に豹変する男のようでもある。
「アタシはそんなつもりで会ってた訳じゃないのに、もう会えないって言ったら、
 ○○くんってば、急にアタシのこと押し倒してきたの」みたいな?(いや、押し倒さないけど) 
そしてニコラスの裏切りが発覚し拷問されるのだが、このシーンがイタエロい。
胸の皮膚にかぎ針を刺され、皮膚の張力だけで吊るされるニコラス…。

身体の自由を奪われた状態はエロスを含んでいると思う。
後ろ手に縛られ、二の腕のあたりをぐるぐる巻きにされて吊るされるよくあるシーン。
あれはエロスレベルは低いほうだ。
頭上で両腕を縛られて吊るされるのは、もっとエロい。
両者の違いは脇が無防備かどうか、だと思う。
脇が無防備な状態は「どうにでもして!」っというエロさがある。
さて、かぎ針吊るしのニコラスの身体はどうなっているか。
痛そうに伸びきった胸の皮膚を支点として、腕はだらりと力なくたれ、
首は溺れかけの美女が抱え上げられた時のように仰け反って、まるで無防備だ。
「どうにでもして!」というより、ホントに「どうにでもされちゃった」感満載。
この吊るし方は映画的に新しい。
屈服させられた後の哀愁のエロスがみなぎっている。

「お前は死んで当然の男だが、ウガンダの現状を欧州に伝えてくれ」
と、ウガンダの医師がニコラスを助けなかったら、
一体、彼はアミンからどんな大変な目に合わされていたのだろうか。。。
・・・究極のSMプレイな気がする。どんなだかさっぱりイメージできないけど(笑

実話ベースのフィクションだが、実は拉致監禁SM映画でもあったのだ。




ところで、この映画を試写室で見た時、
上映前に「ウガンダ政府観光局」が作った観光奨励フィルムが流れていた。
自然豊かな国立公園とか、民族文化満載の「ようこそウガンダへ♪」なフィルムだ。
・・・で、その後の映画が↑・・・・・
「ようこそ♪」 と 「吊るしSM」

・・・・・・もうっ、どっちかにしてっっ(爆
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by mekara_uribou | 2007-04-18 13:08 | ツッコミ上等映画レビュー


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