2007年 12月 14日
イタすぎで面白い『エンジェル』
フランソワ・オゾンの新作「エンジェル」は
東京国際映画祭で観た。

「エンジェル」は女の名前で、この女の一生を描いた物語だ。
どんな話かというと
 とってもイタい女がイタいまま成功してしまい、イタいなりに幸せになり、
 イタいまま死ぬ。。。というある意味大変に怖い物語だ。
 この女は物語を生きている。物語なんてイイものじゃなく
 むしろ妄想を生きている。
 母も夫も友達も自分の妄想の中の登場人物、という扱いなので、
 周りの人間は困惑する。実害も被る。。。

この「イタい女の物語」のすごいところは
主人公は自分のイタさに気付いていないので、
おそらく最期まで(妄想の中で自分は不幸だと感じ、それに酔っている状態も含め)
幸せなまま死ぬことだ。
人生は主観的なものなので、客観的にみてどんなにイタかろうがダメだろうが
本人が幸せならそれは「幸福な人生」なのである。
他人の評価なんかどうでもいいものなのかもしれない、
・・・と思ってしまうところだ。

映画の前に監督のインタビュー映像が流れ
「この映画の主人公は仕事に生き、夫を影のように従え、子供ももうけなかった
 現代を生きる女性たちにも共感してもらえると思う」
と言った。

おい、オゾンよ、それは本気か? ジョークなのか?
こんなイタい女に共感して憧れる現代女性はいないよ。。。(と、思いたい)

それともあれかな?
ゲイのオゾンは、女の人生なんて客観的に見てイタくても
本人基準が幸せならそれが一番!と思っていて、
それに憧れているのだろうか。。。
。。。しかし彼の映画に流れている「悪意」の源について考えると
やっぱ「女ってむかつく! キー!」ってな感じの
ゲイの本音を垣間見る気分にもなる。

公開間近の記事で、
「妄想の世界を生きるエンジェルの、その痛々しさこそが愛おしい」
とかいう意味のことを言っていた。
ココロが広いな〜、フランソワってば。
でもやっぱり、痛かろうが無理があろうが、我が道を突き進みたい!
というのが本音なのか。
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by mekara_uribou | 2007-12-14 22:03 | ツッコミ上等映画レビュー


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