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2007年 05月 02日
『バベル』の突っ込みどころ
菊池凛子が女子高生に見えないと話題の『バベル』ですが、
突っ込みどころはそこではない。


治療中、患者のチエコ(凛子)に
唇を舐められた歯医者のおじさん(なぜかマスクをしていない)は、怒りだし、
「何をしているんだ? やめたまえ! 帰ってくれ!」
と激しい言葉で彼女を拒否する。
脚本的にそこはきっぱり拒否しないといけないのは解るんだけどさ。
日本のおじさんに、そんな紳士的にきっぱり拒否できる人はおらんだろ。

立場上、拒否しないといけないとしても、
女子高生にそんなエッチないたずらをされたら
(ん?この娘、俺のこと誘ってる? 俺って結構イケてるってことかな?)
と妄想が渦巻いて、怒って拒否しながらもちょっと「ニヤけ」ちゃうはず。
その場面でうろたえもせず毅然とした態度をとれるおじさんは日本にはいない(断言)。

他にも
べらぼうに広いロビーにコンシェルジェみたいなおじさんがいる
月島のタワーマンションに住んでる役所こうじの仕事は何なんだ?

とか、日本人的にいくつか気になるところがあって、
じゃ、モロッコ人的にも気になるところとか、
「モロッコにそんなやついねーよ!」とか言いたいことがあるんじゃないか? 
と、モロッコ人にインタビューしたい衝動にかられる映画であった。


イニャリトウ監督はいつも同じようなことをしている人なので、
やっぱり「アモーレス・ペロス」の衝撃には及ばなかった。



しかし、ブラピとケイトの「排泄とキスのシーン」は美しかった。
「介護とキスのシーン」と呼んでもいい。
美男美女のキスシーンではあったが、あれがもうだいぶ年のいった初老のカップルだったとしても、じゅうぶん美しかったと思う。
夫が妻のシモの世話をしてやったことで、彼らの関係性はひとつ上の段階に入った。
男と女の関係、妻と夫の関係を経て、何かもっと人間的な関係性を獲得した、
そういうシーンに見えた。美しいキスシーンであった。
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by mekara_uribou | 2007-05-02 00:46 | ツッコミ上等映画レビュー