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2006年 03月 09日
『クラッシュ』のオスカーに思う
『クラッシュ』が作品賞でオスカー受賞。

下馬評では一番人気だった
「ブロークバックマウンテン」は監督賞で分けあう結果。
監督賞だけなら
「アカデミーは監督の手腕を評価しただけで作品を肯定的に評価した訳ではない」
と言い訳もできるというものだ。

作品賞にノミネートされた作品、
「ブロークバック〜」と「カポーティ」はゲイ関連
「ミュンヘン」は対テロとユダヤ関連
「グッドナイト&グッドラック」は赤狩り関連
の、それぞれの団体&アンチ団体から五月蝿いこと言われそうな映画。


それにくらべ

人種差別問題を扱っている『クラッシュ』は無難な映画だったと言えるだろう。
確かにいい作品なのだが、良くも悪くも優等生的なのである。
道徳の時間に皆で観て、
「ライアン・フィリップはなぜ○○してしまったと思いますか〜?」
なんて授業に使うのにぴったりだ。
軽い議論をするにはいいが、掘り下げるまでには至らない。
ひねくれものの私としては、もう少しアイロニーが欲しいところ。


結局のところ、今のアメリカ(のアカデミー会員)にとっては
「ゲイ」「対テロとユダヤ」「赤狩り」等にくらべ
「人種差別」は偏りが少なく共通に分かち合える無難な問題なのだな、
と納得できる。

そんな映画である。

by mekara_uribou | 2006-03-09 23:07 | ツッコミ上等映画レビュー


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