2007年 02月 16日
『どろろ』と『蟲師』の、間はないのかっ?!
妻夫木&柴咲コンビで話題の『どろろ』。
時代もの冒険活劇でダークファンタジー、っていう邦画を応援したいのは山々なれど、
やはり美術の詰めの甘さが見えてしまって、「うーむ」と唸ってしまうのだった。

こういった題材は今や「ロード・オブ・ザ・リング」以前と以後では
求められるレベルが格段に変わってしまっているのに、
邦画界はそれに追い付いていないように見える。
いや、追い付こうと努力しているのは解るんだが、追いつけていないのだ。

『どろろ』のVFX部分は、及第点には及ばないのだが、頑張ってるな、と感じる。
クリーチャー部分を全てVFXでやれば、それなりの統一感が出たんじゃないか、
と思うが、
その中に混じってくる「着ぐるみ」が、突然日曜日の朝の特撮戦隊もの、の世界に
映画全体を引きずり下ろしているのだ。
それを編集やカメラワークで誤魔化そう、という風でもない。
ニュージーランドロケまでしてるのに、なぜそこの予算をケチるのか。
惜しい、惜しいよ。

しかし、派手なエンターテイメントとしては、頑張っているので、
美術の甘さと柴咲の女っぽさ(彼女の役どろろは男のなりをしてる少女という設定)
に目をつぶれば結構楽しめる。



来月公開予定の『蟲師』もまた、時代ものでダークファンタジーだ。
時代設定は明治初期、とのことなので、基本和服だが洋装も混じっており、
かなりフィクショナルな世界が背景として展開される。
そして、ほとんどロケ地の力かも知れないが、美術が素晴らしい。
オダギリの白いカツラがちょっと浮いてるけど(笑

何か目立った作り物やセットはなく、さりげない背景とさりげない衣装。
そして、ミニマムな音楽と、分りやすい起伏がなくゆっくりとしたストーリー展開、
幽玄の世界というか「詫び・寂び」なのだ。
この「良さ」は欧米人には解るまい。いや、西洋医学的思考の人には難解だと思う。
利休の茶の湯的な価値観を映画にしたような感じ、というか、
見る側の力を試される「超芸術トマソン」のような感じ、というか。。。

ま、ちょっと難を言えば 眠い のである。
大変に良く出来ているが、少々エンターテインメントを犠牲にしているのだ。



解りやすいエンターテインメントだが、美術が甘い『どろろ』と
美術は素晴らしいがエンターテインメントしてない『蟲師』、
この間に位置する邦画が観たいんです、心底!
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by mekara_uribou | 2007-02-16 16:28 | ツッコミ上等映画レビュー


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