カテゴリ:ツッコミ上等映画レビュー( 35 )

2006年 04月 01日
誰かのことを想うこと
『ブロークバック・マウンテン』を観た。
美しい映画である。
泣ける映画である。

誰かのことを想うことと
人生を営んでいくことは別々にできるのだ、と思った。
いつも誰かのことを想いながら、
その誰かとは別々の人生を歩むことはできるのだ。
想い人と同じ暮らしを分かち合っていたとしても
やはりそれは別々の人生だ。

想う、ことと人生は別もの。
されど、影響し合うもの。

人生という大河の上を流されながら、
空に想いを馳せるような主人公の静けさに泣かされる。
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by mekara_uribou | 2006-04-01 14:51 | ツッコミ上等映画レビュー
2006年 03月 09日
『クラッシュ』のオスカーに思う
『クラッシュ』が作品賞でオスカー受賞。

下馬評では一番人気だった
「ブロークバックマウンテン」は監督賞で分けあう結果。
監督賞だけなら
「アカデミーは監督の手腕を評価しただけで作品を肯定的に評価した訳ではない」
と言い訳もできるというものだ。

作品賞にノミネートされた作品、
「ブロークバック〜」と「カポーティ」はゲイ関連
「ミュンヘン」は対テロとユダヤ関連
「グッドナイト&グッドラック」は赤狩り関連
の、それぞれの団体&アンチ団体から五月蝿いこと言われそうな映画。


それにくらべ

人種差別問題を扱っている『クラッシュ』は無難な映画だったと言えるだろう。
確かにいい作品なのだが、良くも悪くも優等生的なのである。
道徳の時間に皆で観て、
「ライアン・フィリップはなぜ○○してしまったと思いますか〜?」
なんて授業に使うのにぴったりだ。
軽い議論をするにはいいが、掘り下げるまでには至らない。
ひねくれものの私としては、もう少しアイロニーが欲しいところ。


結局のところ、今のアメリカ(のアカデミー会員)にとっては
「ゲイ」「対テロとユダヤ」「赤狩り」等にくらべ
「人種差別」は偏りが少なく共通に分かち合える無難な問題なのだな、
と納得できる。

そんな映画である。
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by mekara_uribou | 2006-03-09 23:07 | ツッコミ上等映画レビュー
2006年 02月 13日
ヤッちゃった・・・チェン・カイコー
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マスコミ試写の段階で
「あれ、凄いですから是非見るべきです!
 あ、でも心に余裕のある時に観てください。
 じゃないと腹が立ちますよ」

と噂の「PROMISE」を観て来た・・・・


・・・・・・ああ、チェン・カイコー。
あなたはレスリー・チャンの代表作 「さらば我が愛」を撮った人なのに・・・
「キリング・ミー・ソフトリー」の時すでにヤヴァかったけど、これはトドメ。。。

どうしたんだ、カイコー?
イーモウの「HERO」が評価されてしまったために、
何か誤解してしまったとしか思えん。
資質にない娯楽映画の要素が入りまくり。
すたーをーずの元老院とかダースベイダーみたいなものまで出てくる。
この映画の監督がツイ・ハークだったらもっと素直に馬鹿笑いできるのにさー(笑


これは、
「どんな映画?」と聞かれたら
「駄目な映画」と答えちゃうなー。


ま、駄目すぎで大爆笑なんだけども(結局笑うんじゃねーか!)



韓流好きのチャン・ドンゴンファンに

「あのチャン・ドンゴンのひとり進化論は如何ですか?」

と、映画館の出口調査で感想を聞く、
という羞恥プレイをしたくなった(爆



そして、ニコラス・ツェー。
カイコーの映画で美を司るらしいニコラス、
ほんのちょ〜っぴりだけ、覇王別姫のレスリー・チャンのような
はんなりとした美しさを期待した私が馬鹿でした・・・

金色の手首がついた指揮棒を持って、
正しい香港B級映画のノリでスカしまくるニコラス、
この映画本来のあるべき姿を示唆しているようで、
ある意味潔かったです・・・
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by mekara_uribou | 2006-02-13 23:32 | ツッコミ上等映画レビュー
2006年 02月 01日
消火器でどつくジョディに萌え
『フライトプラン』ね、
天下のジョディ・フォスターが『パニック・ルーム』のあと、
3年ぶりに選んだにしては、微妙に詰めが甘い映画でなかったですか?


ところで、そのプロモ来日の時、女優生活40年のジョディは

「人は誰でも、人生の節目節目で目標を持つものだけれど、
 私はその目標を全て達成してしまったの。
 だから後は、ピン!と来た役、気が向いた役だけを選んで
 やっていくつもりよ」

と仰った。。。。。





「それでアレかいっっ?!」とちょっと思っちゃってすいません。
あ、それとも「だからアレ」なのか・・・
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by mekara_uribou | 2006-02-01 00:02 | ツッコミ上等映画レビュー
2006年 01月 19日
『タブロイド』
大変に後味の悪い映画である。
『オールド・ボーイ』を上回る後味の悪さである。
しかし、良く出来た映画である。


子供ばかりを狙う連続殺人鬼「モンスター」に震撼する、南米エクアドル。
その被害者の子供の葬儀の場で、ある男が子供をひいてしまう。
ひき逃げと疑われた男は、「モンスター」に苛立つ人々からリンチされる。
割って入る、警察と、居合わせたマイアミから来たテレビレポーター。
子供をひいてリンチされた男も、リンチを扇動した男も刑務所に入れられる。
そのリンチ事件をテレビでレポートし、つかの間ヒーローになるレポーターの男。
追跡取材のため刑務所に行き、リンチされた男にある取り引きを持ちかけられる。

「このままここに居ては自分は殺される。モンスターの情報を教えるから、
 どうか私をここから出して欲しい。あなたならそれができる」

誰も知らないはずの情報を知っている男。
セールス仕事の旅先で「モンスター」に会ったのだ、と話す。

「モンスターは自分のしたことを誰かに聞いて欲しかったのだと思う」

その男こそが「モンスター」なのではないか、と疑いながらも、
自白させてスクープを取り名声を得ることを優先に、
地元の警察を出し抜いて、インタビューを続けるレポーター。

「その時、モンスターは何を考えてた?」
「それは解らない。私はそんな質問はしなかった」

正義と名声を秤にかけているレポーターの心理を巧みについて
ぬるりとした質感で、追求の手をすり抜けて行く男の存在感に圧倒される。

デコボコのアスファルト、水辺に立つ貧しい家々、草いきれの中の廃墟、
ざらついたエクアドルの風景の中、
マイアミから来たテレビクルーは所詮他所ものだ。



底なしの嫌悪感と、恐ろしく良くできた映画を観たという満足感を同時に味わえる。
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by mekara_uribou | 2006-01-19 14:18 | ツッコミ上等映画レビュー
2005年 12月 29日
肉食のラブシーン
「Mr&Mrsスミス」の見どころはなんといっても
アンジー&ブラピ、噂のふたりのラブシーンな訳だが・・・・

映画を観た後、
ひどく肉が食べたくなってしまい、
ケンタッキーの6ピースパックを買ってしまい、
むさぼるように4ピース食べたところで、ようやく落ち着いたのだった。

あのふたりのラブシーンは腹が減る、
肉が食べたくなる、
まさに肉弾戦だからだろうか(^^;)
やっぱり肉食文化の民族のラブシーンはこってりしてるね。
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by mekara_uribou | 2005-12-29 15:44 | ツッコミ上等映画レビュー
2005年 12月 22日
「SAYURI」
「ラストサムライ」みたいに腹はたたない。

こっちもリアリティは期待してないし、
あっちもリアリティを追求していないので、
世界観についてはたいして気にならない。

チャン・ツィイーが「キャンディス・ホワイト」で
ケン・ワタナベが「丘の上の王子様」で
イライザはてんこ盛りだが、アンソニーもテリーも出て来ない
「キャンディ・キャンディ」だった・・・

正しい芸者というより正しい少女漫画。
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by mekara_uribou | 2005-12-22 13:30 | ツッコミ上等映画レビュー
2005年 07月 20日
シネマバトン
ミクシィ内でまわってきたシネマバトンをこちらにも上げてみる。
最近、更新が滞りがちなのを誤魔化そう、という企画です(笑

▼ルール▲
シネマに関するいくつかの質問が「バトン」として
回ってきたら、自分のブログ上でこれらの質問に答え、
次の5人を選んでその人にバトンを渡す。
ヨソで見るのと質問が微妙に違ったりするようですが、うちに来たのはこんな感じ。


▼最後に映画館で見た映画
試写室だけど、
『チャーリーとチョコレート工場』
まだ7月だが・・・'05年のベストワン!
と宣言してもいいっ、大好きだ! サントラも買う!

▼今まで見た映画で一番泣ける映画
泣いた映画・・・あんまり思い出せないな・・・
『ひまわり』かな。古いイタリア映画の定番ですな。
ソフィア・ローレンの気が強そうなところが余計に泣けるんだ・・・

▼期待外れの映画
え〜・・・何かな〜? つまらなかった映画いっぱいあるけど・・・
期待はずれとなると・・・
あ! あれだ『スワロウテイル』だ。
もう岩井俊二には騙されん!と思った映画。無駄に長いし。


▼お気に入りの映画5つ

『友達のうちはどこ?』
映画の中でマジ泣きしてる子供を見たのは初めてだったなあ、可愛いんだ(^^;)
イラン、最近イスラム右派政権になっちゃったけど、
キアロスタミ、大丈夫かなあ? と思う今日この頃。

『過去のない男』
カウリスマキ! 大好き。
フィンランドの岸田今日子(おそらく40過ぎ)が、
フィンランドの蟹江敬三に向かって駅で言うのよ、
「忘れないわ、あなたは私の初めての人よ」・・・シビレたね。

『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』
キャラ造型といい、歌といい、ストーリーといい、全部好き。
ま、あれだ、キャラに合わんことはするな、ってこった(笑

『欲望の翼』
レスリー・チャンが素敵で素敵で・・・
いや、冷静に見るとかなり臭いんだけど、でも素敵で(^^;)
香港の湿気の高い感じが暑苦しいメロドラマによく似合うんだ。
しかし、最近のウォン・カーウァイはこの映画の残り香を使って
新作撮ってる感じなので、どうにも腹が立つ・・・

『2001年宇宙の旅』
言わずと知れたクーブリックのSF映画の金字塔。
どこを切っても美しい映像は完璧。
非人間キャラでHAL9000を越えたキャラいないもんな〜・・・
あのゴラムでさえ負ける・・・
アルジャーノンのようにデイジー歌う時は泣けるね。


●番外
『ロード・オブ・ザ・リング』
大好きだけど嫌い、みたいな?


▼バトンを渡す5人
指名するの面倒なので、我こそはという方は名乗り出てください
残り3名です
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by mekara_uribou | 2005-07-20 02:21 | ツッコミ上等映画レビュー
2005年 06月 09日
フォーガットンって・・・
先週末の興業成績で、ジュリアン・ムーア主演の「フォーガットン」が3位だった事実に軽く驚いた。
そんなに宣伝してるふうでもないし、そんなに話題性があったようにも思わないのに、同日公開のウィル・スミスの「最後の恋の始めかた」より、ブルース・ウィリスの「ホステージ」より、客が入った訳だ。

なんとなく超自然現象っぽいミステリーな雰囲気に騙されて観た人は脱力するかもしれないが、この映画、お馬鹿B級映画だと割り切って観ればなかなか楽しめる・・・っていうか大爆笑じゃね!!?
ジュリアン・ムーアがお馬鹿映画に出るわけないよ、と思うからうっかり間違った方向に期待しちゃうので、なんか納得できない気分になるんだけどね。

でも、



ばびゅーーーーーーん!!!


ってとこで爆笑しなかった? ね? 観た人?



すご〜くヒマな時に、緩〜く爆笑したい場合はいいかも。
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by mekara_uribou | 2005-06-09 01:08 | ツッコミ上等映画レビュー
2005年 04月 11日
男前大行進!「インファナル・アフェア 3」
ついに完結! 今、すべての謎が明らかになる!
というあおり文句の「インファナル・アフェア3」
正直「そんな謎まで明らかにせんでも・・・」っちゅうところもありますが、
まあ、面白かったです。

相変わらず、ハードボイルド一辺倒。「1」「2」よりもさらに10分長く茹でてみましたっっ! みたいなハードボイルド具合です。

しかし、「1」「2」「3」でどれが今いちだったか、というと「3」ってことになるかな〜・・・
どこがいかんのか、というと、演出上の「ため」が長過ぎるんだよね。
「何ため」か、っていうと「 男 前 た め 」なんだよな(笑)
アンディ・ラウもトニー・レオンも、エリック・ツァンもアンソニー・ウォンも、レオン・ライにチェン・ダオミン、さらにはちょい出のカリーナ・ラウにも、「なんだか男前〜〜」っていうショットがあって、それがちょっとずつ長い・・・長過ぎるっ!

ヨン役のレオン・ライがたーだ歩くだけのショットとか、アンディ・ラウがじっと座ってるショットとか、チェン・ダオミンの立ち姿とか、そういう「きゃ〜、おっとこ前〜」と惚れ惚れするようなショットがちょっとずつ長く、そのせいで、映画全体のテンポが悪くなっているのである(爆)。
ま、男前ハードボイルドが売りの映画なわけだから、そういうところに力が入っちゃうのは解るんだけどね〜・・・・なんちゅうの?「男前の押し売り」ぎりぎり?


そのへん、「真夜中の弥次さん喜多さん」の長瀬くんと違うところ。
長瀬弥次さんは自分のこと男前に見せようとは考えてないのに男前。天然もの男前って感じなので、どんなに暑っ苦しくても「押し売り」にはならないんだな・・・

とそれについてはまた、後日。
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by mekara_uribou | 2005-04-11 23:03 | ツッコミ上等映画レビュー