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2006年 06月 08日
ポセイ丼には屍累々
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『ポセイドン』ね・・・
人間ドラマは薄いけど、体感型ディザスタームービーとしてはこんなもんでしょう。

なにしろ、うほっ!と思ったのは、
津波に襲われた時の船の様子。
船上船内のあらゆるところにいる、あらゆる種類の人々が
あっっ、という間に死に追いやられる様を
細かいカットを畳み掛けるように見せてくれる。

「見ろ! 人がゴミのようだ!」

と、ムスカの気分が味わえます。
ムスカファンは必見かもね(笑



ペーターゼンはドSだと思いました。。。

# by mekara_uribou | 2006-06-08 16:39 | ツッコミ上等映画レビュー
2006年 06月 03日
シラスを肴に丼飯5杯!『ダ・ヴィンチ・コード』
シラスを肴に丼飯5杯!『ダ・ヴィンチ・コード』_c0033794_14542151.jpg


↑このイラストの全貌が知りたい方は、
勇気を出して今月20日売りの『問題小説』を御購入ください。


『ダ・ヴィンチ・コード』ね。。。。
やたらと世間が騒ぐ割には普通の娯楽映画だったね
「イエス・キリストの子孫」が誰だか判明した時、カンヌは失笑したらしい。
クリスチャンでもなんでもない日本人としては、
「イエスは神の子」というファンタジーを信じてることのほうに、むしろ失笑。

この映画、一番の突っ込みどころはエンドロールの
「この映画はフィクションです」の一文である。
バチカンもカトリックも、何もかもフィクションだったのか!
そりゃそうか、ファンタジーを前提にした信仰なんだもんなー…と、
あやうく大爆笑してしまうところであった。。。(汗

映画の出来としては、
ちょっと緩急が弱く盛り上がるべきシーンが盛り上がらないのは
軽く失敗じゃねーの? ロン・ハワード、って感じ。

ま、そんなことはどうでもいいんだ。
見どころは、もちろんポール・ベタニー@シラス(断言)

やっぱ、あれだねっ、
私の脳内妄想映像に勝るものはないね(笑
シラスはかなり目立っちゃいたけど、
ファン的には最期のシーンは物足りなかった。
だってさー。。。
なぜ? なぜアリンガローサを抱え上げないんだっ?! シラス!
アルフレッド・モリーナが太ってるからか?
重くて持てなかったらワイヤーを使えばいいじゃない! ポールのいくじなし!
「私は幽霊だ」と呟き慟哭しながら
アリンガローサを運んで欲しかったわ。。。


とはいえ、
なかなかどうしてサービス満載だったかな。
信仰と罪の狭間で揺れ動く表情といい、
自分を救ってくれたアリンガローサ司教に懐いている様子、
殺人者と無垢な子供の間を行き来するガラスのような瞳、
・・・ふぅ〜・・・・堪能。

で、

信仰のため我が身をむち打つ時、
痩せぎみとはいえ脇腹にうっすらと付いた皮下脂肪に
屈むことによりできる皺、

そこ、指突っ込んでなぞりたい・・・



と、思った私は変態ですか、そうですか。。。(泣笑

# by mekara_uribou | 2006-06-03 15:04 | ツッコミ上等映画レビュー
2006年 05月 18日
豊川寺島で愛ルケ?!
「愛ルケ」・・・
原作は読む気もしないが、
「にっけいしんぶん新聞」というブログの「今日の愛ルケ」は読んでいた。

「失楽園」と同じ作家の中高年オヤジ大喜びなエロ小説だったと理解しているが、
主人公菊治を豊川悦司、ヒロイン冬香を寺島しのぶが演る、
と聞いて、びっくりすると同時に、
「なんか、コケそうなよか〜〜ん」と思ってしまってごめんなさい。

原作の菊治は50代半ば、過去の栄光に縋るだけの自称小説家で
しょぼくれ気味のオヤジ、という印象だ。
その「しょぼくれ具合」が50代以上のオヤジが自己投影することを可能にし、
30代後半の人妻で脳みそカラッポ、菊治にとって都合がいいばっかりの従順な女、
冬香との濡れ場を、我が事のように楽しめたところが
一部オヤジ世代に爆発的にヒットした理由だと思うのだ。

しかし、豊川悦司・・・・44歳。
一時と比べ衰えたとはいえ、まだフェロモンありますよね、あの方。
還暦手前の
「勃たなくなっちゃったらどうしよう? 
 俺はいつまで男でいられるんだろう?」なんて不安を抱えたおじさま達が、
自己投影して冬香との濡れ場にうっとり浸るには、ちょっとハードル高くねえか?

そして、寺島しのぶ・・・・『東京タワー』。
確かに脱いでくれるけど、情念系ですよ。
冬香より脳みそ詰まってますし、気も強そうだし、
上記のようなおじさま達の手に負えるようなタマには見えないし、
上記のおじさま達が好きそうな女優とも思えないんだなー・・・

天下の日経連載時から、各方面に物議をかもしていた
(某下着メーカーの社長のブログが閉鎖になっちゃったりとかさ)
「愛ルケ」がヒットするためには、
50代以上のオヤジ達が、しょぼくれた男優に自己投影しながら、
石田ゆり子みたいな感じの一見清純そうな女が乱れまくるシーンに
うっとり浸れるキャストじゃないと難しいんじゃないのかなー??
だってこの映画、若い世代と女性達は興味ないっていうか、
観る気ないと思うんだよね。ネタとして観に行く人はいるだろうけどさ。


はっ??
その「愛ルケに興味ない層」を呼び込むための配役??

役所広司の急降板、が吉と出るか凶とでるか・・・
それにしても、豊川悦司、最近迷走してませんか。
菊治って〜〜・・・・
『ナイトヘッド』とかでファンになった人たちは泣いているぞっ、
・・・たぶん。



じゃ、誰が菊治だったら良かったかっていうと、
「しょぼくれた僕のところにも天使が舞い降りた」って感じで
リュック・ベッソンとかが良かったんじゃねーかしらね(笑?

# by mekara_uribou | 2006-05-18 00:08 | なんとなく気になったこと
2006年 05月 02日
今頃『電車男』
4月末、「問題小説 6月号」用に
『嫌われ松子の一生』の原稿を書くことになって
中谷美紀つながりで『電車男』を今頃観てみた。

映画というにはかなり緩い作りだが、
これは「女が男を落とす時のもっとも手本にすべき方法」の映画じゃないか?
と、そういう方面にめっきり不器用な私は思ってしまったのでした。。。

中谷エルメスは、待つ、ひたすら待つ。
山田電車男がどんなにふがいなくて、自分から行動を起こすのが苦手な男だとしても、エルメスは自分から押し切ったりしないのである。
時々、彼が行動を起こしやすいように好意を見せるだけで、
本当は自分のほうが彼に「萌えて」いるにも関わらず、
ひたすら待つのだ。
彼の告白を。

男性の心理は良く解らないが、
お互いに好意を抱きあっている場合でも、
女の側から押し切られて付き合うことになった場合と、
男の自分が告白という手順をふんで付き合うことになる場合とでは、
「獲得感」が違うのではないだろうか。

電車男は、自分がエルメスを獲得した、と感じたかも知れないが、
本当のところ、粘り抜いたエルメスが電車を獲得したのである。

エルメス、恐るべし。
あれが年上女の手練手管ってやつなのか。。。

# by mekara_uribou | 2006-05-02 12:36 | ツッコミ上等映画レビュー
2006年 04月 25日
『ブロークン・フラワーズ』
『ブロークン・フラワーズ』_c0033794_15492367.jpg


ジム・ジャームッシュの久々の新作は、
金はあるけど冴えない日々を送っている中年男のロードムービー。
隠居老人のような生活をしているドン・ジョンストンの元に
「あなたの息子が19になります」という匿名の手紙が届く。
誰かのいたずらだ、と無関心を装いつつも気になってしょうがないドン。
おせっかいな隣人に促され、20年前の恋人たちを訪ねる旅に出る。

現在のドンと無関係の人生を送る女たちは突然の訪問に顔を引きつらせる。
見てるこっちのほうが気まずくなるくらいだ。

子供がいるかどうか探りを入れる会話中、
無表情に見えるドンの微妙な表情の変化に、
棚ぼた的な息子の存在に何かを期待しているのが解る。

その昔ゲーム業界で一山当てた過去のおかげで金には困らないものの、
今の自分の人生に欠けている何かを、
その息子の存在が埋めてくれるかも知れない。

意識的か無意識的か、そんな虫のいい期待を抱くドン。

十字路に立ち尽くすその姿に、
自分の種を残さずにいる中年男の本能的な焦りを感じる。

# by mekara_uribou | 2006-04-25 15:55 | ツッコミ上等映画レビュー